ぶどうちゅうどく ブドウ中毒 [猫]

概要

猫を対象とした報告はありませんが、犬はブドウを食べるとこで急性腎障害を起こすことがあります。
猫でも同様の中毒が起こる可能性があるので、与えない方がよいとされています。

基礎知識

ブドウ中毒は比較的新しく発見された中毒で、2000年代初頭から犬で報告されるようになりました。

ブドウの種類や状態(生or乾燥)に関係なく発生し、皮のみの摂取でも発症したケースがあります。

原因

犬のブドウ中毒の原因として、農薬・殺虫剤・重金属によるブドウの汚染などが考えられていますが、未だにはっきりとは分かっておらず、近年では特異体質が原因ではないかともいわれています。

猫での中毒量は不明です。犬では1kgのレーズンを摂取しても症状が出なかった犬がいる一方で、1~2粒のブドウで発症した小型犬もいます。

生のブドウだけでなく、ブドウジュースやワイン、クッキーやパンに入っているレーズン、ブドウの皮なども中毒の原因になる可能性があります。

症状

犬では嘔吐、下痢、食欲不振、元気消失、腹部痛などがみられることがあり、猫でも同様の症状がみられる危険性があります。
このほか、尿量の減少や運動失調、虚脱などを起こす場合もあります。

検査・診断

血液検査で主に腎臓に関連する項目に異常がないかを確認します。エコー検査で腎臓に異常がないかを確認します。

治療

ブドウ中毒の治療は以下のとおりです。
猫でも、犬のブドウ中毒に準じた治療を行う場合があります。

処置
・ブドウを摂取した直後の場合には、催吐処置や活性炭の投与などを行います。
・状態に応じて胃洗浄や静脈点滴などを行い、腎臓へのダメージを極力軽減させます。

尿量が減少していたり、運動失調や虚脱を起こしていたりしている場合には、予後が不良となる恐れがあります。

病院探しのポイント

・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・緊急治療が必要となる場合は、急ぎ診てもらえる病院を探しましょう。また、このような緊急事態に備えて、かかりつけの休診日や夜間診療をしている病院をあらかじめ調べておきましょう。

予防

ブドウやレーズンなどを誤食させないようにしましょう。
また、万が一摂取してしまった場合には、どんなに少量であっても速やかに動物病院を受診してください。

部位

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監修

獣医師 福永めぐみ
フクナガ動物病院
獣医師

日本大学生物資源科学部獣医学科を卒業後、横浜市内の動物病院にて小動物臨床に従事。
現在はハバニーズのマフィンくんと共にフクナガ動物病院に勤務。
日本獣医循環器学会、日本獣医がん学会所属。
ペット栄養管理士の資格取得。


フクナガ動物病院ホームページ

https://fukunaga-ah.com/