子猫の死亡率が高く、ワクチンでの予防が大切な病気です。

猫パルボウイルスの感染が原因です。
感染した猫の嘔吐物や排泄物を、口や鼻から取り込むことで感染します。感染力が極めて高く環境中でも長く生存するため、猫が多く集まる施設で流行することがあります。

高熱、元気や食欲がなくなる、激しい嘔吐や下痢がみられ、重度の脱水状態に陥り死亡することもあります。

胎児期に感染すると脳に影響が出ることがあり、ふるえやふらつき、測定障害（体を動かす感覚がつかめず不自然な動きとなる状態）などの症状が起こることがあります。

身体検査、血液検査、ウイルス学的検査などを行います。血液検査では急激な白血球の減少がみられる場合があります。ワクチン接種歴や症状から感染を疑います。

猫汎白血球減少症の治療は以下のとおりです。

内科治療
ウイルスに対する有効な治療薬はないため、症状にあわせて対症療法を行います。

点滴
脱水を改善したり体の状態を安定させます。

抗生剤
細菌感染を同時に起こしているときに有効です。

吐き気止め
嘔吐による脱水や栄養不良を防ぎます。

食事療法
早期に栄養補給することが必要です。

症状が重い場合や、子猫では経過が悪いことが多いです。

・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・状態によっては入院や定期的な通院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。

・ネコちゃんのストレスを軽減するために、アクセスの良い場所にキャットフレンドリーな病院があるか探してみるのもよいでしょう。

ワクチン接種が有効な予防策です。ワクチンは定期的に追加接種する必要があります。

また、猫の生活環境を清潔に保ち衛生状態をよくすることや、ほかの猫との接触を避けることも、感染リスクを下げる方法の一つです。

猫パルボウイルスはアルコールなどの消毒薬に耐性があるため、次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒が必要です。