ぶんりふあん 分離不安 [猫]

概要

分離不安とは猫が愛着の対象から分離された際や分離が予期されるとき(通常は飼い主さんの外出による留守番)に不安を感じ、問題行動や体調不良を起こす疾患です。

基礎知識

基本的に猫では犬と比べると発生率が低い傾向にあります。
去勢雄の発生が多いという報告があります。

原因

以下のようなことが大きな原因になるといわれています。

・家族や同居動物と常に一緒にいる環境で飼育されており、留守番に慣れていない。
・飼い主さんが帰宅時や外出時に強い愛情表現を示すことで、在宅時と不在時の違いが強調され、不在時の不安が強まる。
・飼い主さんのライフスタイルの変化や引っ越しなどによる環境の変化。
・留守番中に強い恐怖体験をすることで、留守番に不安を感じるようになる。
・高齢になり感覚機能が低下したり、病気になることで不安傾向が高まる。

症状

症状は個体によって様々です。

一般的にみられる主な症状としては、
・ドアや窓などの出入り口になる場所や、飼い主さんの匂いのするものを破壊する
・過剰に鳴く
・トイレではない場所で排泄する
などがあります。

そのほかの症状としては、
・荒い呼吸(パンティング)
・震え
・嘔吐、下痢
・食欲不振
・唾液の過剰分泌
などがあります。

検査・診断

飼い主さん不在時の動画を撮影して、行動を観察し診断します。

治療

分離不安の治療は以下のとおりです。

内科療法
行動療法
留守番に慣れさせる

サプリメントの投与、薬物療法
状態に応じて補助的に行う

病院探しのポイント

・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・投薬をしている場合は定期的な通院が必要となることもあるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。

・ネコちゃんのストレスを軽減するために、アクセスの良い場所にキャットフレンドリーな病院があるか探してみるのもよいでしょう。

予防

早い段階から留守番に慣れさせる必要があります。

普段留守番させる必要がない環境であっても、短時間からはじめて日常的に留守番の練習をさせることが重要です。

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監修

獣医師 西川身和

獣医学科卒業後、一般動物病院勤務、大学病院研修医勤務、動物福祉を学ぶ海外渡航などを経て、現在は動物の健康しつけ相談を行いながら、動物の健康や福祉に関する情報を発信しています。

愛猫4匹とまったり暮らしつつ、人間と動物のより良い関係づくりに日々奮闘しています。