ざそう ざそう [猫]
概要
猫のあごの下およびその周囲でみられる皮膚炎で、比較的よく発生します。
基礎知識
「ざそう」は、本来、毛穴に皮脂がたまって炎症を起こす皮膚病(いわゆるニキビ)全般を意味する言葉ですが、猫のざそうの場合は、特にあごの下の皮膚に生じるものをさします。
原因
皮膚の毛包や脂腺に皮脂がたまり、二次的に細菌が感染することで生じる皮膚炎です。
悪化要因として生活の中でのストレスがあると考えられています。
症状
初期には面皰(めんぽう)と呼ばれる黒い粒々した皮脂の汚れが見られることが多いです。悪化するとニキビのように腫れ、潰れて膿が出たり出血したりすることで、かさぶたができます。
かゆみの程度は様々です。重症化すると、痛がってあごの下を触られるのを嫌がることがあります。
検査・診断
皮膚症状から診断します。皮膚の細胞の検査を行う場合があります。
治療
ざそうの治療は以下のとおりです。
内科治療
抗菌薬の内服
二次的な細菌感染が明らかな場合は、抗菌薬の内服を行います。
外用薬の塗布
重症でなければ、軟膏などの外用薬を用いることもあります。
シャンプーやクレンジングオイルによる洗浄
初期の段階で皮脂汚れを落とすために実施することがあります。
治療によって良化しても、生涯に渡って繰り返す可能性があります。
重症化する前に獣医師の診察を受けましょう。
病院探しのポイント
・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。
・複数回の通院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。
予防
下あごの皮膚で皮脂の汚れが気になる場合には、ペット用のシャンプーやクレンジングオイルでやさしく洗浄します。
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監修
獣医師 松本裕子
マツモト動物クリニック
北里大学獣医学部獣医学科を卒業後、北里大学大学院博士課程を修了。獣医学博士。日本獣医皮膚科学会認定医を取得。
現在は、愛知県豊橋市のマツモト動物クリニックに勤務。
犬2頭、猫3頭と暮らしています。
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