こうもんせんえん 肛門腺炎 [猫]

概要

猫は肛門の左右に匂いの分泌物を溜める袋状の肛門嚢(肛門腺)をもっています。
肛門線炎は細菌感染によって、肛門腺に炎症が起こる病気です。

基礎知識

肛門腺は肛門を時計盤に見立てると4時と8時方向に1つずつ存在し、その出口は肛門の脇に通じています。本来、肛門腺の分泌物は便に刺激されて排出されますが、感染によって炎症が起きた場合は出口管が腫れて閉塞し、排出できなくなります。

重症化すると行き場をなくした大量の分泌物によって肛門嚢が破裂し、出口管とは別に穴が空いてしまうことがあります。

猫ではまれです。

原因

肛門腺炎の原因は細菌感染です。
分泌物は細菌の増殖に適しているので、分泌物が溜まりすぎると感染を引き起こすしやすくなります。

症状

症状は、お尻を地面にこすり付けるような動作、肛門を気にして舐める、排便時に痛がる、お尻を触られるのを嫌がるといった行動がみられます。初期は外観では分かりにくいです。

肛門嚢が破裂した場合、肛門の横に穴が空き、灰白色や茶色の液体、血膿などでお尻が汚れているのが分かります。

検査・診断

直腸検査(肛門に指を入れる触診方法)で、肛門線が腫れたり、熱感や痛みがないかなどを確認します。
破裂している場合は見た目で判断できることもあります。

治療

肛門腺炎の治療は以下のとおりです。

内科治療
・軽症の場合は、肛門線の分泌物の除去、患部の洗浄と消毒、抗生剤の注入を行います。
・上手く便の排泄ができていない場合は、特別療法食で便量を増やすこともあります。
・繰り返している場合は、分泌物を検査して、よりその子に効果の出るような薬を厳選することもあります。

処置
炎症がひどく膿んでいる場合は、肛門嚢を切開して洗浄などを行うことがあります。

外科治療
・内科治療に反応がない場合は、外科的に肛門腺を切除する必要があります。
・切除した肛門腺は腫瘍の可能性を考え、病理検査を行うことがあります。

病院探しのポイント

・かかりつけの病院がある場合はかかりつけ医に相談しましょう。

・治療後も定期的に肛門腺絞りのケアが必要となる場合があるため、アクセスの良い病院がよいでしょう。

予防

お尻を地面にこすり付けるような動作をしていないかなど普段の様子をよく見てあげてください。

自力で排出できていないような場合は、定期的に病院で肛門腺を絞ってもらうことが予防につながります。

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監修

獣医師 森敦奈
ダクタリ動物病院京都医療センター
獣医師

日本大学生物資源科学部獣医学科を卒業後、ダクタリ動物病院京都医療センターにて小動物臨床に従事。

動物医療を通じて、人と動物が共存して暮らせる社会を目指しています。
皆さんが病気辞書を活用して下されば嬉しいです。


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