じょそうざいちゅうどく 除草剤中毒 [猫]

概要

除草剤に含まれる中毒成分を口や皮膚、目などから摂取することで、中毒症状が起こります。

基礎知識

様々な除草剤の成分で中毒症状を起こします。

除草剤中毒の中ではパラコート、グリホサートでの発生報告が多いですが、除草剤中毒の発生頻度はほかの家庭での中毒事故の中でも高いものではありません。

原因

中毒成分の含まれた除草剤を皮膚や経口的に摂取することで発症します。

パラコートの場合もグリホサートの場合も容器から直接飲むなど大量に摂取しない限り、散布された草をなめたりする程度では起こりにくいといわれています。

症状

・皮膚炎(皮膚への接触があった場合)
・嘔吐、下痢
・食欲不振
・運動失調
などが発症します。

重症になると心臓などの循環器や呼吸器など多くの臓器に障害を起こします。

検査・診断

問診により疑います。

・血液検査
・レントゲン検査
・尿検査
などで状態を評価します。

治療

除草剤中毒の治療は以下のとおりです。

催吐処置
摂取した成分によっては催吐処置が適応にならない可能性もあります

活性炭の投与
経口摂取の場合

よく洗い流す
皮膚などに付着した場合

その後は状態に応じて、点滴や痛み止めなどの対症療法を行います。

病院探しのポイント

・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・緊急治療が必要ですので、急ぎ診てもらえる病院を探しましょう。また、このような緊急事態に備えて、かかりつけの休診日や夜間診療をしている病院をあらかじめ調べておきましょう。

予防

食べたりなめたりしなくても皮膚や目からも吸収してしまいます。

屋外に出る猫のほうが屋内飼育の猫に比べるとリスクが高いです。猫は危険を避けるためにも屋内飼育をおすすめします。

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監修

獣医師 西川身和

獣医学科卒業後、一般動物病院勤務、大学病院研修医勤務、動物福祉を学ぶ海外渡航などを経て、現在は動物の健康しつけ相談を行いながら、動物の健康や福祉に関する情報を発信しています。

愛猫4匹とまったり暮らしつつ、人間と動物のより良い関係づくりに日々奮闘しています。