こうじょうせんきのうていかしょう 甲状腺機能低下症 [猫]
概要
甲状腺機能低下症は甲状腺からホルモンが十分に分泌されなくなることによって発症します。
基礎知識
猫での発生は非常にまれです。
原因
遺伝的な要素や、自分の免疫で甲状腺を攻撃してしまう自己免疫疾患が原因といわれています。
まれに、脳の下垂体からの甲状腺刺激ホルモンの分泌が低下して、発症するケースも報告されています。
甲状腺機能亢進症の薬が過剰になった場合や、外科手術で甲状腺を切除した場合にも発症する可能性があります。
症状
甲状腺のホルモンが不足してしまうと、活動性が低下した状態になります。
具体的に起こしやすい症状としては
・活動性低下
・脱毛
・肥満
・皮膚の角質が異常に厚くなる
などがあります。
検査・診断
健康な猫でも、様々な原因で甲状腺のホルモンが一時的に低下してしまうこともあり、診断は容易ではありません。
症状と血液によるホルモン検査で総合的に判断します。併せて、エコー検査やレントゲン検査で甲状腺や全身の状態を確認することもあります。
治療
甲状腺機能低下症の治療は以下のとおりです。
内科療法
最も一般的な治療です。
内服薬を使用して、ホルモンの補充を行います。
基礎疾患が原因で発症している場合はその治療を行うことにより、ホルモン補充の必要がなくなることもあります。また、ホルモン薬を飲んでいる間は、定期的な血液のホルモン濃度検査が必要になります。
病院探しのポイント
・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。
・ネコちゃんのストレスを軽減するために、アクセスの良い場所にキャットフレンドリーな病院があるか探してみるのもよいでしょう。
予防
遺伝的な要素や自己免疫疾患が原因なので、予防法はありません。
甲状腺機能亢進症の治療を行っている猫では、定期的なホルモン濃度検査を行いつつ、症状に注意して投薬量が過剰にならないように気をつけましょう。
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監修
獣医師 西川身和
獣医学科卒業後、一般動物病院勤務、大学病院研修医勤務、動物福祉を学ぶ海外渡航などを経て、現在は動物の健康しつけ相談を行いながら、動物の健康や福祉に関する情報を発信しています。
愛猫4匹とまったり暮らしつつ、人間と動物のより良い関係づくりに日々奮闘しています。