とりこもなすしょう トリコモナス症 [猫]

概要

一般的に、トリコモナスと呼ばれる寄生虫が、猫の腸管内に寄生することで生じる感染性の下痢症のことを言います。

基礎知識

トリコモナスは、顕微鏡でなければ見つからない大きさの寄生虫です。

猫に寄生するトリコモナスには複数の種類があり、腸に寄生するもの以外に口の中に寄生するものが報告されていますが、ここではより広く知られている、腸トリコモナス症について説明します。

原因

トリコモナスの感染が原因となります。

症状

寄生虫によって生じた大腸炎から、頻繁に下痢や軟便が見られます。
子猫で多いですが、成猫でも発症することがあります。また子猫では重度な持続性の下痢を起こす場合があります。

犬のトリコモナス症に比べて、症状が治りにくく慢性化しやすいことが知られています。

検査・診断

新鮮な便を用いて便検査を行います。顕微鏡でトリコモナスの虫体を確認します。

治療

トリコモナス症の治療は以下のとおりです。

内科治療
駆虫薬の内服
犬の腸トリコモナスよりも薬が効きにくいことが知られています。

子猫で重症化した場合は、点滴などの治療が実施される場合があります。

病院探しのポイント

・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・複数回の通院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。

予防

便とともに排泄された寄生虫が口に入ることで感染します。猫の便に汚染された可能性のある場所は洗浄しましょう。

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監修

獣医師 松本裕子
マツモト動物クリニック

北里大学獣医学部獣医学科を卒業後、北里大学大学院博士課程を修了。獣医学博士。日本獣医皮膚科学会認定医を取得。
現在は、愛知県豊橋市のマツモト動物クリニックに勤務。

犬2頭、猫3頭と暮らしています。


マツモト動物クリニックホームページ

https://www.matsumoto-ac.jp/