ぜんていしょうがい 前庭障害 [猫]

概要

前庭は、目や頭の位置を正常に保ったり体のバランスを維持するという役割を持っています。前庭障害はこの前庭に異常が生じ、平衡感覚(へいこうかんかく)が保てなくなる病気です。

基礎知識

前庭障害は、障害が起こる部位により以下の2つに分類されます。

末梢神経系前庭障害
主に内耳(ないじ)にある器官や神経に障害が起こります。

中枢神経系前庭障害
脳の一部に障害が起こります。

また、はっきりとした原因の分からないものを特発性(とくはつせい)前庭障害といい、猫では年齢に関係なくみられます。

原因

前庭障害の原因は以下のとおりです。

末梢神経系前庭障害
最も多い原因は中耳炎や内耳炎です。そのほかには頭の外傷や耳の腫瘍、ホルモン異常なども原因となります。

中枢神経系前庭障害
脳の炎症や腫瘍、外傷などが原因となります。

症状

前庭障害の症状は、体のバランスが保てないために頭が傾く斜頸(しゃけい)、眼球が小刻みに動く眼振(がんしん)、斜視(しゃし)、一方向にぐるぐると回る旋回(せんかい)、ふらつきなどです。嘔吐や食欲の低下がみられることもあります。

検査・診断

前庭障害は症状が特徴的なため、一般的な症状からこの病気を疑うことができます。しかし、様々な疾患が前庭障害を引き起こすので、耳鏡検査や体の反応の確認、過去の病歴や投薬歴の聴取などをすることにより原因疾患の診断を行います。また、必要に応じてCT・MRI検査を行うこともあります。

治療

前庭障害の治療は以下のとおりです。

内科治療
抗生剤や炎症止め
中耳炎や内耳炎が関与している場合に投与します。

ホルモン剤
ホルモン異常が関与している場合に投与します。

免疫抑制剤
脳炎が関与している場合に使用することがあります。

外科治療
手術
ポリープや腫瘍が原因である場合に、切除を行うことがあります。

原因となっている病気の治療を行うことで症状は改善することが多いですが、状態によっては斜頸などの症状が後遺症として残ることもあります。

病院探しのポイント

・検査や治療のために設備が整っている病院を紹介されることもありますが、かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・入院や複数回の通院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。

予防

前庭障害は中耳炎や内耳炎が原因になることがあるため、日頃から耳を清潔に保ってあげると良いでしょう。

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監修

アイペット損保 獣医師チーム
アイペット損害保険株式会社

獣医学科卒業後、動物病院にて小動物臨床に従事。現在はアイペット損保に勤務。
獣医師であり飼い主/ペット栄養管理士の資格取得

アイペット損保を通じて、飼い主さまがにワンちゃんネコちゃんと幸せに暮らすための情報をお伝えしていきたいと思っています。


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