あじそんびょう アジソン病 [犬]

概要

副腎皮質機能低下症とも呼ばれます。
副腎という臓器から分泌されるステロイドホルモンの量が少なくなることで発症します。

基礎知識

比較的若い時期から成犬の雌に認められることが多いです。
日本国内で、特に発症しやすいと報告されている犬種はありません。

原因

原因としては、副腎自体の障害と脳の下垂体(副腎にホルモン分泌を促す司令塔となる場所)の障害とに分けられます。犬では、副腎自体の障害がほとんどで、何らかの原因で副腎が小さくなってしまい発生することが多いといわれています。

そのほかにも、自分の免疫による攻撃、感染症、腫瘍、クッシング症候群の治療薬の使用などにより、副腎が破壊されて発症することが知られています。

症状

ホルモンの不足により、以下のような様々な症状が発症します。
・虚弱
・体重減少
・食欲不振
・嘔吐
・下痢
・低血糖
・たくさん水を飲む
・尿量が増える

また、急性のアジソン病ではショック症状を起こし(アジソンクリーゼ)、命に関わる可能性もあるため緊急対応が必要です。

検査・診断

疑わしい症状がある場合、以下のような検査をして総合的に判断します。
・血液検査:電解質やホルモンの量を測定します
・尿検査
・エコー検査

脳の下垂体の障害を疑う場合にはCTやMRIといった検査をする可能性もあります。

治療

アジソン病の治療は以下のとおりです。

緊急処置
ショック症状を起こしている緊急状態(アジソンクリーゼ)の場合には、点滴などを用いて全身状態を良くする処置を行います。

内科治療
通常の治療としては、内服薬によりホルモンの補充を行います。また、治療中は定期的な血液のホルモン検査や尿量、血糖値などのモニターが必要になります。
ほとんどの場合、生涯に渡る投薬が必要になります。

病院探しのポイント

・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・定期的な通院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。

予防

現在のところ予防法はありません。

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監修

獣医師 西川身和

獣医学科卒業後、一般動物病院勤務、大学病院研修医勤務、動物福祉を学ぶ海外渡航などを経て、現在は動物の健康しつけ相談を行いながら、動物の健康や福祉に関する情報を発信しています。

愛猫4匹とまったり暮らしつつ、人間と動物のより良い関係づくりに日々奮闘しています。