ついかんばんせきついえん 椎間板脊椎炎 [犬]

概要

脊椎(背骨)を構成する骨(椎体)の間でクッションの役目をしている椎間板や、骨と椎間板の間に位置する軟骨に細菌が感染して、炎症が起こる病気です。

基礎知識

大型犬種での発生が多く認められ、雄は雌に比べて約2倍の発生率といわれています。

原因

多くは外傷や、泌尿器・口腔内・心臓などのほかの感染部位から原因菌が血流によって運ばれ、椎体に達して感染を起こします。
発症には免疫抑制状態が関係している可能性も指摘されています。

症状

最も多い症状は脊椎の痛みです。
また、体のどこを触れても痛みを感じるような感覚過敏の症状、発熱、活動量の低下が認められることもあります。
脊髄が圧迫されると、歩行異常を起こすこともあります。

検査・診断

レントゲン検査により、脊椎に炎症があるかを確認します。
ただし、レントゲン検査で異常が認められるのは感染してから2週間ほど経過してからで、症状発生初期には異常が認められないこともあります。

治療

椎間板脊椎炎の治療は以下のとおりです。

内科療法
抗菌薬や消炎鎮痛剤の投与

外科療法
圧迫による麻痺が残ってしまった場合や、椎体が不安定になった場合に手術を行うこともあります。

病院探しのポイント

検査や治療のために設備を持っている病院に紹介されることもあります。まずはかかりつけ医に相談しましょう。

予防

日頃から、口腔内の衛生状態や、尿の状態には気をつけておきましょう。
特に、病気や治療などで免疫抑制状態にある犬は感染に注意が必要です。

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監修

獣医師 西川身和

獣医学科卒業後、一般動物病院勤務、大学病院研修医勤務、動物福祉を学ぶ海外渡航などを経て、現在は動物の健康しつけ相談を行いながら、動物の健康や福祉に関する情報を発信しています。

愛猫4匹とまったり暮らしつつ、人間と動物のより良い関係づくりに日々奮闘しています。