えーらーす・だんろすしょうこうぐん(ひふむりょくしょう) エーラース・ダンロス症候群(皮膚無力症) [犬]

概要

先天的に体内でコラーゲンが正常に作れないために、皮膚が過剰に伸び、かつ裂けやすくなってしまう、非常にまれな病気です。

基礎知識

コラーゲンは皮膚を構成するタンパク質の一つです。皮膚だけでなく、骨や軟骨、血管などをはじめ、体の様々な組織を構成しています。

原因

先天的な遺伝性の病気です。原因遺伝子は今のところ明らかになっていません。

症状

生後すぐに発症しますが、加齢とともに徐々に症状が悪化するケースもあります。

皮膚が過剰に伸び、容易に裂けてしまいます。ほかにも、関節が異常に伸展する、脱臼しやすい、血管が弱く内出血を起こしやすい、眼球内で水晶体の脱臼を起こす場合があります。

検査・診断

一般的に、皮膚症状と皮膚の伸びを評価して診断します。皮膚の一部を切り取り病理検査を行う場合があります。

クッシング症候群など、ほかの病気でも皮膚の脆弱化を示す場合があるので、血液検査などにより他疾患との鑑別を行います。

治療

エーラース・ダンロス症候群(皮膚無力症)の効果的な治療法はありません。

物理的な刺激や激しい運動を避けます。

病院探しのポイント

・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・複数回や長期の通院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。

予防

現時点で予防法はありません。
遺伝性疾患ですので、発症した犬は繁殖させるべきではありません。

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監修

獣医師 松本裕子
マツモト動物クリニック

北里大学獣医学部獣医学科を卒業後、北里大学大学院博士課程を修了。獣医学博士。日本獣医皮膚科学会認定医を取得。
現在は、愛知県豊橋市のマツモト動物クリニックに勤務。

犬2頭、猫3頭と暮らしています。


マツモト動物クリニックホームページ

https://www.matsumoto-ac.jp/