すいがいぶんぴふぜん 膵外分泌不全 [犬]
概要
膵臓から分泌される消化酵素が不足し、消化不良に陥る病気です。
基礎知識
・膵臓にはたんぱく質やデンプン、脂肪などを分解する様々な消化酵素を分泌する働きがあり、食事の消化吸収をサポートしています。
・膵外分泌不全症で消化不良を起こすと、十分な栄養素を吸収することができず、下痢や体重減少などを引き起こします。
・ジャーマン・シェパード・ドッグでは遺伝的に発症します。
原因
主な原因は遺伝性です。
中年齢の犬では、膵臓の消化酵素を分泌する細胞が何らかの原因で萎縮することも、膵外分泌不全を起こす原因とされています。また、まれに腫瘍が原因で消化酵素の通り道が塞がれて、消化液が出ないことによってこの病気が発症する場合もあります。
症状
脂肪の分解がうまくできないため、臭いの強い大量の白っぽい軟便が出ることが特徴です。水様性の下痢がみられる場合もあります。また、食欲は旺盛なのに痩せていたり、毛づやや毛並みの悪さも多くみられます。
検査・診断
・糞便検査で未消化の脂肪を認めます。また、消化管内寄生虫の感染がないかも確認します。
・血液検査で膵臓に関わる数値を測定し、低値になっていることを確認します。
治療
犬の膵外分泌不全の治療は以下のとおりです。
内科治療
不足している消化酵素を補うため、バランスのとれた食事に消化酵素剤やビタミンB12製剤を添加して与えます。
ほとんどの場合、生涯にわたる治療が必要です。
病院探しのポイント
・獣医師としっかり話し合い治療を進めていく必要があります。まずはかかりつけ医に相談しましょう。
・定期的な検査が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。
予防
残念ながら、この病気の予防法はありません。
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監修
獣医師 福永めぐみ
フクナガ動物病院
日本大学生物資源科学部獣医学科を卒業後、横浜市内の動物病院にて小動物臨床に従事。
現在はハバニーズのマフィンくんと共にフクナガ動物病院に勤務。
日本獣医循環器学会、日本獣医がん学会所属。
ペット栄養管理士の資格取得。
フクナガ動物病院ホームページ