こっせつ 骨折 [犬]

概要

骨が折れたり、ひびが入った状態をいいます。
骨折は体のどこの骨にも起こる可能性があり、一般的には、非常に大きな痛みを伴います。

基礎知識

犬の骨折で最も多くみられるのは前足の肘から下の骨である橈尺骨(とうしゃくこつ)の骨折です。

橈尺骨骨折は骨の細い小型犬であるトイ・プードル、柴犬、チワワ、ポメラニアン、ミニチュア・ピンシャー、イタリアン・グレーハウンドなどに起こりやすいです。

そのほかにも、骨盤・大腿骨(太もも)・脛腓骨(膝から下)・頭蓋骨・下顎骨・脊椎(背中の骨)・しっぽなど様々な部位で骨折が起こることがあります。

原因

代表的な原因としては外傷によるもの、病気によるもの、年齢によるものなどがあげられます。

この中でもよくみられるのは、子犬の外傷による橈尺骨折です。子犬の時期は骨が完全に成長しておらず、硬さも不十分です。その上、危ないところがわからない、性格も遊び盛りでやんちゃ、といったことが重なり骨折が起こってしまいます。

外傷性骨折
大きな力が加わることにより起こります。
・ソファや段差からの飛び降り
・抱っこからの飛び降り
・フローリングでの転倒
・ほかの犬との喧嘩
・交通事故 など

病的骨折
骨の病気などが原因で骨が弱くなることで起こります。
・腫瘍
・骨髄炎など骨の病気 など

疲労骨折
高齢期に同じ姿勢で過ごすことにより、骨に負担がかかりすぎてしまい起こります。

症状

外傷性の骨折はとても痛がることが多いため、飼い主さんが気付くことが多いです。
そのほかにも、骨折箇所が普段と違う形になっていたり、腫れていたり、熱感をもっていることがあります。

痛がっている様子としては、以下のようなものがあります。
・キャンキャンずっと鳴いている
・触ろうとすると怒る
・震えている
・動かない
・骨折箇所をなめようとする

イタリアン・グレー・ハウンドではしっぽの骨折がみられることもありますが、この場合は痛みが出ないこともあります。
病的骨折や疲労骨折の場合、ほかの箇所に痛みがあることで痛みのサインに気づきづらい場合もあります。

検査・診断

身体検査とレントゲン検査により診断します。
どの骨がどのように折れているかを詳細に把握して治療の計画を立てる必要があります。

治療

骨折の治療は以下のとおりです。

骨折部位、骨折の仕方、年齢、性格、全身状態などを考慮しながら治療方針を立てる必要があります。また、原因となる病気やほかの病気がある場合には先にその治療が必要になることもあります。

外科治療
多くの場合、外科治療が選択されます。

〇プレートとスクリュー
小さなプレートをスクリューで固定します。

〇髄内ピン
細いピンを骨の中に入れて固定しますが単独で使用することは少ないです。

〇ワイヤー
骨の外側からワイヤーをかけますが単独で使用することは少ないです。

〇創外固定
皮膚の外側から固定具を設置します。

そのほか
〇ギプス固定
折れた骨を引っ張り伸ばした状態で固定します。外科治療後に固定のためにも使用します。

〇再生医療
骨がくっつくのを早めるために手術の一環で取り入れることがあります。

骨折後に時間が経ってしまうことで癒合不全(骨がずれてくっついてしまう)を起こしてしまい、治療がさらに困難になったり後遺症が残ってしまう恐れもあります。
骨折がわかったらできる限り早期に受診してください。

病院探しのポイント

・治療のために設備が整っている病院を紹介されることもあります。まずはかかりつけ医に相談しましょう。

・緊急処置が必要となることがありますので、かかりつけの病院がない場合は至急診てもらえる病院を探しましょう。また、このような緊急事態に備えて、かかりつけのの病院の休診日や夜間診療をしている病院をあらかじめ調べておきましょう。

・長期の通院や定期的な検査が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。

予防

骨折は防げる事故です。できる限り、対策をしておくことをお勧めいたします。特に子犬をお迎えした人はすぐに取り入れてみてください。
・フローリングにマットを敷く
・正しい抱き方を知って、抱っこしている腕から飛び降りないようにする
・段差にはスロープなどを設置する
・外出時は必ずハーネスやリードをつける

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監修

アイペット損保 獣医師チーム
アイペット損害保険株式会社

獣医学科卒業後、動物病院にて小動物臨床に従事。現在はアイペット損保に勤務。
全員が獣医師であり飼い主/ペット栄養管理士の資格取得

アイペット損保を通じて、飼い主さまがにワンちゃんネコちゃんと幸せに暮らすための情報をお伝えしていきたいと思っています。


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