はんそくせきついしょう 半側脊椎症 [犬]

概要

先天性の脊椎奇形の一種です。

基礎知識

ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、パグ、ボストン・テリアなどの巻き尾の犬種でよく認められます。

原因

母犬のお腹の中で起こる背骨の形成異常が原因となり、背骨を構成する骨の一部が骨化しないことで発症します。

症状

子犬の頃には症状はないことが多いですが、成長するにしたがって奇形を持った骨が前後の脊椎から圧力され、中を通る神経(脊髄)にも圧迫がおよぶと症状があらわれます。

症状としては、後ろ足のふらつき、麻痺、震え、立てない、背中の痛みなどが起こります。

検査・診断

レントゲン検査で変形した脊椎を確認します。

治療

半側脊椎症の治療は以下のとおりです。

内科療法
鎮痛薬、抗炎症薬の投与による痛みの管理

外科療法
症状によっては手術が適応になるが多くはない

病院探しのポイント

・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・長期の通院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。

予防

半側脊椎症を発症しやすい犬種の場合は、症状が出ていなくても一度脊椎の状態をレントゲンで検査しておくことをおすすめします。

変形が認められた場合は、
・激しい運動やジャンプなどを避ける
・背骨が床と平行になるように抱っこする
・体重を適切に管理する
などして、背骨の負担を軽減させ発症の予防に努めましょう。

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監修

獣医師 西川身和

獣医学科卒業後、一般動物病院勤務、大学病院研修医勤務、動物福祉を学ぶ海外渡航などを経て、現在は動物の健康しつけ相談を行いながら、動物の健康や福祉に関する情報を発信しています。

愛猫4匹とまったり暮らしつつ、人間と動物のより良い関係づくりに日々奮闘しています。