だいたいこっとうえししょう 大腿骨頭壊死症 [犬]
概要
大腿骨とは太ももの太い骨です。
大腿骨頭壊死症は、大腿骨頭部(大腿骨の先端)に分布している血管からの血液供給が不足、もしくは停止してしまうことにより、大腿骨頭が壊死を起こす病気です。
基礎知識
大腿骨頭壊死症は、
・レッグ・ペルテス
・レッグ・カルベ・ペルテス
・若年性変形性骨軟骨炎
などと呼ばれることもあります。
一歳以下の子犬で多く認められます。 特にテリア種やトイ・プードルなどの小型犬で発症の危険性が高いです。
原因
原因は未だ明らかになっていません。
症状
発症した側の足やおしりの筋肉が萎縮します。また、痛みにより発症した足をかばうような歩行や足をあげることもあります。
検査・診断
レントゲン検査によって、診断されます。レントゲン検査では大腿骨頭やその少し下部にあたる頸部の変形や萎縮、大腿骨頭のはまっている股関節腔の変形が認められます。
治療
大腿骨頭壊死症の治療は以下のとおりです。
内科治療
痛みに応じて、内服による痛みの管理や運動制限を行います。ただし、進行性の疾患であるため最終的には外科的な治療が必要となります。
外科治療
一般的に第一選択となる治療です。
小型犬では壊死した大腿骨頭の切除を行います。足への負荷が大きい大型犬の場合は、人工関節を設置する股関節全置換術が行われる場合もあります。
そのほか
リハビリテーション
術後に良好な偽関節の形成を促すためにも、スイミングや運動訓練、適度な運動が効果的とされています。
病院探しのポイント
・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。
・入院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だとよいでしょう。
予防
原因が不明なので、現時点では予防法はありません。
発症リスクの高い犬種の場合は、歩行状態に気をつけて観察しておきましょう。
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監修
獣医師 西川身和
獣医学科卒業後、一般動物病院勤務、大学病院研修医勤務、動物福祉を学ぶ海外渡航などを経て、現在は動物の健康しつけ相談を行いながら、動物の健康や福祉に関する情報を発信しています。
愛猫4匹とまったり暮らしつつ、人間と動物のより良い関係づくりに日々奮闘しています。