甲状腺腫瘍には良性の甲状腺腫と悪性の甲状腺癌があります。

猫では、甲状腺ホルモンを過剰に分泌する甲状腺機能亢進症という病気が多いですが、甲状腺腫瘍はこの病気の原因になる場合があります。

明らかな原因はわかっていません。

首元に腫れた甲状腺が触れることがあります。水をよく飲む、食べているのに体重が減る、活発になるなど、過剰な甲状腺ホルモンの影響による症状が認められます。

腫瘍が首元を圧迫するようなサイズになると、咳や声の変化、息苦しい様子などがみられることもあります。

エコー検査やレントゲン検査で、甲状腺が腫れているかどうか確認します。

細い針を刺して中の細胞を観察する、細胞診という検査をすることもあります。甲状腺ホルモンが異常に分泌されているかどうかも、血液検査で調べます。

確定診断は手術で摘出した後に、病理検査が必要となります。

甲状腺腫瘍の治療は以下のとおりです。

外科手術
手術が第一選択となります。転移しているものや、周りの臓器とくっついてる場合などは、手術ができないこともあります。

内科治療
甲状腺ホルモンを抑える薬を内服します。

悪性の場合、予後は不良です。

獣医師としっかり話し合い治療を進めていく必要があります。まずはかかりつけ医に相談しましょう。

残念ながら、発症を予防することは困難です。
早期に発見できるように、定期的な健康診断などをおすすめします。