かんせつえん 関節炎 [犬]

概要

骨と骨をつなぐ関節に炎症が起き、腫れや痛みを引き起こしたり、歩行に支障が出る病気です。

基礎知識

関節炎は原因により、感染性関節炎、非感染性関節炎(免疫介在性多発性関節炎)、変形性関節炎に分類されます。

原因

関節炎の原因は以下のとおりです。

感染性関節炎
外傷や打撲などにより関節の中に細菌感染が起こることが原因です。

非感染性関節炎
免疫の異常が原因となり、自分の関節を攻撃してしまうことで炎症が起こります。

変形性関節炎
主に加齢に伴って関節が変形することで起こります。肩、肘、膝、股関節などあらゆる関節にみられます。

症状

関節に腫れや痛みが生じることで、様々な症状があらわれます。運動や段差の上り下りを嫌がる、歩く速度が遅くなる、立ち上がるのに時間がかかる、足を引きずる、地面に足がつけなくなるなどが主な症状です。

痛みが強かったり発熱を伴う場合には、元気や食欲がなくなることもあります。

検査・診断

触診によって関節の動きや痛みのある場所を確認したり、関節の状態を確認するためにレントゲンやCT検査を行います。また、必要に応じて関節に針を刺して中の液体を採取し、その中に含まれる成分を検査することにより診断します。

治療

関節炎の治療は以下のとおりです。

内科治療
抗生剤
細菌感染が関与している場合に投与します。

炎症止めや痛み止めの薬
腫れや痛みの状態により投与することがあります。

サプリメント

外科治療
内科治療に効果が見られず生活に支障が出ている場合に、手術を行うことがあります。

そのほか
レーザー治療
痛みを緩和させます。

体重管理
関節への負担を減らします。

適度な運動

生活環境の改善
滑る場所や段差を減らすことで関節への負担を少なくします。

徐々に進行していく関節炎の場合は、適切な治療やケアを行って進行を緩やかにしたり、痛みなどの症状をコントロールすることが治療の目的となります。

病院探しのポイント

・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・長期の通院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。

予防

関節に余計な負担をかけないために適切な体重を維持し、適度な運動を行うことが予防策の一つとなります。また、フローリングなどの滑りやすい場所には滑り止めマットを敷くなどして、関節への負担を減らしましょう。

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監修

アイペット損保 獣医師チーム
アイペット損害保険株式会社

獣医学科卒業後、動物病院にて小動物臨床に従事。現在はアイペット損保に勤務。
獣医師であり飼い主/ペット栄養管理士の資格取得

アイペット損保を通じて、飼い主さまがにワンちゃんネコちゃんと幸せに暮らすための情報をお伝えしていきたいと思っています。


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