消化器症状は比較的軽度なことが多いですが、子犬が感染した場合や犬パルボウイルスも同時に感染すると症状が重くなります。人にうつることはありません。

犬コロナウイルスの感染が原因です。
感染した犬の便に含まれるウイルスと接触することで、口から感染します。犬コロナウイルスは感染から回復した犬や無症状の犬からも2週間以上排泄され続け、感染源となります。

食欲が落ちたり、嘔吐や水のような下痢がみられます。無症状のまま経過することも多いです。

身体検査、便検査、血液検査、ウイルス学的検査などを行い診断します。ウイルス学的検査では、血液中のウイルスに対する抗体を調べたり、便の中のウイルスの遺伝子を検出します。状態によってはレントゲン検査やエコー検査をすることもあります。

犬コロナウイルス感染症の治療は以下のとおりです。

内科治療
ウイルスに対する有効な治療薬はないため、症状にあわせて対症療法を行います。

点滴
脱水を改善したり体の状態を安定させます。

胃薬
胃の粘膜の回復を早めます。

吐き気止め
嘔吐による体力消耗や脱水を防ぎます。

整腸剤
下痢で乱れた腸内細菌バランスを改善します。

抗生剤
細菌感染を同時に起こしている時に有効です。

犬コロナウイルス単独の感染の場合には1週間程度で回復することが多いです。

・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・状態によっては入院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だとよいでしょう。

ワクチン接種が有効な予防策です。ワクチンは定期的に追加接種する必要があります。

また、犬の生活環境を清潔に保ち衛生状態をよくすることや、ほかの犬との接触を避けることも、感染リスクを下げる方法の一つです。