いぬぱるぼういるすかんせんしょう 犬パルボウイルス感染症 [犬]
概要
犬パルボウイルスの感染により、激しい嘔吐や下痢、血便などの消化器症状を引き起こす病気です。
基礎知識
子犬の死亡率が高く、犬アデノウイルス感染症、犬ジステンパーウイルス感染症と共に予防が特に重要な感染症です。人にうつることはありません。
原因
犬パルボウイルスの感染が原因です。
感染した動物の嘔吐物や排泄物を、口や鼻から取り込むことで感染します。犬パルボウイルスは環境中で1年以上生存することもできるため、汚染された環境から間接的に感染することもあります。
症状
発熱、激しい嘔吐、下痢、血便、元気や食欲がなくなる、脱水症状などがみられます。腸が折り重なってしまう腸重積(ちょうじゅうせき)を起こすこともあります。心不全を起こす例もありましたが、現在は発症が少なくなっています。
検査・診断
身体検査、血液検査、ウイルス学的検査、エコー検査などを行います。血液検査では白血球の減少がみられることがあります。
診断は犬パルボウイルス抗原を検出するキットを使ったり、血液中のウイルスに対する抗体を調べたり、ウイルスの遺伝子を検出することで行います。エコー検査では腸重積(ちょうじゅうせき)を起こしていないか確認することができます。
治療
犬パルボウイルス感染症の治療は以下のとおりです。
内科治療
ウイルスに対する有効な治療薬はないため、症状にあわせて対症療法を行います。
抗ウイルス薬
ウイルスの増殖を抑制します。
点滴
脱水を改善したり体の状態を安定させます。
抗生剤
細菌感染を同時に起こしている時に有効です。
吐き気止め
嘔吐による脱水や栄養不良を防ぎます。
整腸剤
下痢に対して使用します。
痛み止め
腹痛に対して使用します。
食事療法
早期に栄養補給することが必要です。
症状が重い場合には経過は悪いことが多いです。
病院探しのポイント
・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。
・状態によっては入院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だとよいでしょう。
予防
ワクチン接種が有効な予防策です。ワクチンは定期的に追加接種する必要があります。
また、犬の生活環境を清潔に保ち衛生状態をよくすることや、ほかの犬との接触を避けることも感染リスクを下げる方法の一つです。
犬パルボウイルスの消毒には、次亜塩素酸ナトリウムが有効です。
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監修
アイペット損保 獣医師チーム
アイペット損害保険株式会社
獣医学科卒業後、動物病院にて小動物臨床に従事。現在はアイペット損保に勤務。
獣医師であり飼い主/ペット栄養管理士の資格取得
アイペット損保を通じて、飼い主さまがにワンちゃんネコちゃんと幸せに暮らすための情報をお伝えしていきたいと思っています。
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