いぬへるぺすういるすかんせんしょう 犬ヘルペスウイルス感染症 [犬]

概要

犬ヘルペスウイルス1型の感染により、生後間もない子犬に出血を伴う重篤な症状を引き起こす病気です。

基礎知識

新生子犬が感染した場合には死亡率が高く、嘔吐や呼吸困難を引き起こします。人にうつることはありません。

原因

犬ヘルペスウイルス1型の感染が原因です。
子犬は母犬の産道を通るときに感染したり、感染した犬の唾液や鼻水などの分泌物から感染します。

症状

子犬の症状は食欲がなくなる、呼吸が苦しそうになる、腹痛、ふらつき、下痢、血の混ざった鼻水、皮膚の点状の出血などです。

産道で感染した場合には、生後1~3週間経ってから症状がでてきます。

成犬に感染した場合には、無症状もしくは軽い鼻炎など軽症となることが多いです。

検査・診断

身体検査、血液検査、ウイルス学的検査などを行います。ウイルス学的検査では、粘膜や血液からウイルスの遺伝子を検出したり、ウイルスの抗原や抗体を調べます。

治療

犬ヘルペスウイルス感染症の治療は以下のとおりです。

内科治療
ウイルスに対する有効な治療薬はないため、症状にあわせて対症療法を行います。

点滴
脱水を改善したり体の状態を安定させます。

抗生剤
細菌感染を同時に起こしているときに有効です。

生後間もない子犬が発症すると治療は難しいことが多いです。脳や心臓に後遺症が残ることもあります。

病院探しのポイント

・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・状態によっては入院や定期的な通院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だとよいでしょう。

予防

日本で使用できるワクチンが開発されていないため、予防が難しい病気です。
犬の飼育環境を清潔に保ち衛生状態をよくすることや、ほかの犬との接触を避けることで、感染リスクを下げることができます。

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監修

アイペット損保 獣医師チーム
アイペット損害保険株式会社

獣医学科卒業後、動物病院にて小動物臨床に従事。現在はアイペット損保に勤務。
獣医師であり飼い主/ペット栄養管理士の資格取得

アイペット損保を通じて、飼い主さまがにワンちゃんネコちゃんと幸せに暮らすための情報をお伝えしていきたいと思っています。


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