びえん 鼻炎 [犬]
概要
何らかの原因で鼻腔内に炎症が起こることを鼻炎といいます。
基礎知識
鼻腔や副鼻腔にウイルスや細菌、真菌、異物などが侵入したときに主に発生します。
原因
犬の鼻炎の原因には以下のようなものがあります。
・ウイルス(犬ヘルペスウイルスなど)
・細菌
・真菌(カビ:アスペルギルス、クリプトコッカス)
・異物の侵入
・アレルギー
・歯牙疾患
・口腔内疾患
・腫瘍
症状
主な症状はくしゃみと鼻水です。これらは本来、鼻腔に侵入した微生物や異物に対する防御反応として起こりますが、鼻水が多くなるとそれが詰まって口で呼吸するようになります。また、目やにが増える場合もあります。
検査・診断
・問診で生活環境やワクチン接種歴、鼻水の性状やくしゃみの頻度などを確認します。
・口腔内検査で口の中や歯に異常がないかを確認します。
・レントゲン検査やCT検査で鼻腔内を確認します。
・内視鏡検査で、鼻水の細胞診や鼻粘膜の生検、細菌や真菌の培養検査を行い、確定診断をします。
治療
鼻炎の治療は以下のとおりです。
鼻炎は原因に応じた治療が重要です。
内科治療
・細菌や真菌が原因の場合には、適した抗生剤などを使い感染を抑えます。
・アレルギー性鼻炎の場合は、ステロイド薬の投与で改善しますが、原因となるアレルゲンを除去できないと再発する可能性があります。
そのほか
・歯や口腔内に原因がある場合には、それに応じた処置や外科手術が必要となります。
・腫瘍が原因の場合には、外科切除・抗がん剤治療・放射線治療などを組み合わせて治療します。
病院探しのポイント
・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。
・複数の通院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。
予防
・ウイルス性鼻炎の予防には、定期的な予防接種が効果的です。
・犬の鼻炎は歯や口の中の疾患が原因となるケースも多いため、定期的な歯科検診を受けましょう。
部位
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監修
獣医師 福永めぐみ
フクナガ動物病院
日本大学生物資源科学部獣医学科を卒業後、横浜市内の動物病院にて小動物臨床に従事。
現在はハバニーズのマフィンくんと共にフクナガ動物病院に勤務。
日本獣医循環器学会、日本獣医がん学会所属。
ペット栄養管理士の資格取得。
フクナガ動物病院ホームページ