いぬれぷとすぴらかんせんしょう 犬レプトスピラ感染症 [犬]

概要

レプトスピラという細菌の感染によって、発熱や出血、黄疸(おうだん)などの症状を引き起こします。
発症した場合には死亡率の高い病気です。

基礎知識

黄疸(おうだん)とは、血液に含まれるビリルビンという色素が増えることによって、皮膚や白目が黄色みがかってみえる状態のことです。
人にもうつる病気であるため注意が必要です。

原因

レプトスピラ属に属する細菌の感染が原因となります。
自然界では主にネズミなどのげっ歯類がレプトスピラを保菌しており、その尿に汚染された土や水に接触することで感染します。また、感染していても無症状の犬も多く、尿中にレプトスピラが排泄されて感染源となる場合もあります。

症状

主な症状は黄疸(おうだん)、発熱、元気や食欲がなくなる、嘔吐などです。粘膜に点状の出血がみられたり赤い尿が出るなど、全身の出血から起こる症状がでることもあります。急速に進行して死に至ることも多いです。

検査・診断

身体検査、血液検査、エコー検査、レントゲン検査、遺伝子検査などを行います。血液検査ではビリルビン値や肝酵素の上昇、腎不全があるかなどを調べます。エコー検査やレントゲン検査では、腎臓が腫れて大きくなったり出血している様子がみられることがあります。

血液や尿からレプトスピラの遺伝子を検出することで確定診断ができますが、検査のタイミングによっては検出できないこともあります。

治療

レプトスピラ症の治療は以下のとおりです。

内科治療
抗生剤
細菌感染に有効です。

静脈点滴
腎臓のはたらきをサポートし、脱水を防いで体の状態を安定させます。

肝臓の薬

発症した場合は経過が悪いことも多く、特に腎不全が深刻な場合は治療初期に死亡する例もあります。
回復した後も人やほかの犬への感染源となるので、注意が必要です。

病院探しのポイント

・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・複数回の通院や入院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。

予防

ワクチン接種が有効な予防策です。ワクチンは定期的に追加接種する必要があります。レプトスピラには多数の血清型があり、ワクチンで予防できるものは限られるので、地域の発生状況をみて接種を検討しましょう。

感染源となる土や水、野生動物、ほかの犬との接触を避けることも、感染リスクを下げる方法の一つになります。

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監修

アイペット損保 獣医師チーム
アイペット損害保険株式会社

獣医学科卒業後、動物病院にて小動物臨床に従事。現在はアイペット損保に勤務。
獣医師であり飼い主/ペット栄養管理士の資格取得

アイペット損保を通じて、飼い主さまがにワンちゃんネコちゃんと幸せに暮らすための情報をお伝えしていきたいと思っています。


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