にゅうせんえん 乳腺炎 [犬]
概要
乳腺は乳汁を分泌する器官です。乳腺炎は、主に細菌感染や偽妊娠などにより乳腺が炎症を起こす病気です。
基礎知識
乳腺炎は、産後数日から数週間の間の授乳期間にみられることが多いです。避妊手術を受けていない雌では、発情後のホルモンバランスの変化により偽妊娠の状態となり、乳腺炎を発症する場合もあります。
原因
主に授乳中に、乳汁が分泌される乳頭口(にゅうとうこう)から乳腺に細菌が入り込むことで起こります。
症状
乳腺炎の症状は、炎症が起きている部分の熱感や腫れ、黄色っぽい乳汁の分泌などです。重度になると、発熱、痛み、食欲の低下がみられ、炎症が広がることで皮膚の壊死が起こることもあります。
検査・診断
乳腺に針を刺すことにより乳汁を採取し、成分を調べたり菌を検出することで診断します。乳腺腫瘍でも似たような症状がみられることがあるので、慎重に調べる必要があります。
治療
乳腺炎の治療は以下のとおりです。
内科治療
抗生剤
細菌感染が関与している場合に投与します。
処置
冷却や消毒
炎症が重度の場合に行います。
偽妊娠による乳腺炎が繰り返し起こる場合は、避妊手術を検討することもあります。
病院探しのポイント
・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。
・複数回の通院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。
予防
乳腺炎は細菌感染が原因になることが多いため、特に子犬の授乳後には乳頭に傷がないか確認すると良いでしょう。
タグ
部位
監修
アイペット損保 獣医師チーム
アイペット損害保険株式会社
獣医学科卒業後、動物病院にて小動物臨床に従事。現在はアイペット損保に勤務。
獣医師であり飼い主/ペット栄養管理士の資格取得
アイペット損保を通じて、飼い主さまがにワンちゃんネコちゃんと幸せに暮らすための情報をお伝えしていきたいと思っています。
アイペット損害保険株式会社