しんこうせいもうまくいしゅく 進行性網膜萎縮 [犬]

概要

網膜は目の底にある薄い膜状の組織です。網膜が光や色を感知し、その情報を脳に届けることで目が見える状態になります。
進行性網膜萎縮は網膜が徐々に変性してしまい目が見えなくなる病気です。

犬の進行性網膜萎縮の概要

基礎知識

遺伝性の病気で、犬に多く見られます。
若齢で発症することが多く、発症の時期や症状は犬種によって異なります。生後数か月の若いときに発症すると、病気が進行しやすく失明するのも早くなります。
白内障や目の中の炎症を伴うこともあります。

原因

原因は遺伝によるものです。

症状

目が見えにくい、もしくは見えないので、物にぶつかったりふらついたりします。
目が見えない恐怖から、急に触ろうとすると怒ったり、大きい音に驚いたりすることもあります。多くの場合、病気の初期は夜だけ見えづらい症状(夜盲)があらわれ、進行に伴い昼夜を問わず視覚を失います。

検査・診断

・目が見えているかどうかを診察室での行動や、目の動きを見て確認します。
・眼底検査で網膜の状態を確認して診断していきます。
・診断の補助として遺伝子検査を実施することもあります。

治療

現時点で治療法はありません。

進行を緩やかにすることを目的に、抗酸化作用のあるサプリメントやビタミン製剤などを使用することもありますが、病気を止めることはできません。

病院探しのポイント

生涯つきあっていく病気です。獣医師としっかり話し合い治療や今後の生活の仕方を模索していく必要があります。まずはかかりつけ医に相談しましょう。

予防

残念ながら予防法はありません。

遺伝性の病気なので、この病気がある場合は繁殖させないようにしましょう。

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監修

獣医師 森敦奈
ダクタリ動物病院京都医療センター

日本大学生物資源科学部獣医学科を卒業後、ダクタリ動物病院京都医療センターにて小動物臨床に従事。

動物医療を通じて、人と動物が共存して暮らせる社会を目指しています。
皆さんが病気辞書を活用して下されば嬉しいです。


ダクタリ動物病院京都医療センターホームページ

https://www.daktari.info/