にょうどうへいそく 尿道閉塞 [犬]
概要
尿結石や腫瘍などにより、尿道(尿が膀胱から体外に排出される際に通る管)が閉塞(へいそく)してしまう病気です。
基礎知識
尿道閉塞には部分的な閉塞と完全な閉塞があり、雌に比べて尿道が細い雄で起こりやすいです。
原因
犬では尿結石が原因となることが多いです。
症状
症状としては、何度も排尿しようとして力む、落ち着きをなくす、外陰部を気にして舐めるなどがあげられます。
部分的な閉塞の場合には力んだ際に少量の尿が漏れ出てきます。完全な閉塞の場合には、全く排尿できないために膀胱が膨張(ぼうちょう)して痛みが出たり、元気や食欲がなくなる、嘔吐といった症状がみられます。
膀胱が破裂したり腎不全に発展すると、命にかかわる危険性もあります。
検査・診断
何度も力むのに尿が出ないといった症状、お腹の触診やレントゲン検査、エコー検査による膀胱の確認、血液検査の結果などから診断します。ただし、緊急の状態では検査よりも治療を優先することがあります。
治療
尿道閉塞の治療は以下のとおりです。
緊急処置
尿道にカテーテル(細い管)を挿入し、閉塞物を膀胱内に押し戻したり洗い流すことで閉塞をなくします。この処置には痛みを伴うことが多いため、鎮静や全身麻酔をかけて行います。
外科治療
・閉塞物が尿道から動かない場合や膀胱内に閉塞物を押し戻した場合に、それを手術で取り除きます。
・症状が改善しない場合や何度も再発する場合に、尿道が閉塞しにくくなる手術を行うことがあります。
尿結石が原因となっている場合は、定期的な尿検査を行うことや、特別療法食やサプリメントを継続することがあります。
病院探しのポイント
・かかりつけの病院がある場合はすぐに相談しましょう。
・緊急処置が必要となることも多いので、かかりつけの病院がない場合は至急診てもらえる病院を探しましょう。また、このような緊急事態に備えて、かかりつけのの病院の休診日や夜間診療をしている病院をあらかじめ調べておきましょう。
予防
膀胱内をきれいに保ち、尿結石が発生するリスクを減らすためにも、1日の水分摂取量を増やしてあげると良いでしょう。
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監修
アイペット損保 獣医師チーム
アイペット損害保険株式会社
獣医学科卒業後、動物病院にて小動物臨床に従事。現在はアイペット損保に勤務。
獣医師であり飼い主/ペット栄養管理士の資格取得
アイペット損保を通じて、飼い主さまがにワンちゃんネコちゃんと幸せに暮らすための情報をお伝えしていきたいと思っています。
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