まだにのきせい マダニの寄生 [猫]
概要
吸血昆虫であるマダニが寄生することで、皮膚炎や貧血を引き起こす病気です。
基礎知識
マダニは草むらなどに一年中生息しており、布団やカーペットに生息しているダニとは種類が異なります。
人に重篤な症状を起こす重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ライム病、日本紅斑熱などはマダニが媒介するため、注意が必要です。
原因
野外でマダニに寄生されることが原因で、屋外に出る機会の多い猫は感染しやすくなります。
マダニは吸血するときにセメント物質を出して顎を強く固定するため、無理にマダニを引っ張ると顎の部分が皮膚に残り、皮膚炎の原因となることがあります。
また、吸血の際に動物の体内にマダニの唾液が入り、アレルギー反応を引き起こすことがあります。
症状
主に顔面や胸、股、足先、肛門のまわりにマダニが寄生していることが多く、皮膚炎を起こします。かゆみはないか軽度で、顎の部分が皮膚に残ると肉芽腫(にくがしゅ)と呼ばれるできものができたり、皮膚が硬くなる場合があります。
吸血されることで貧血を起こしたり、マダニの唾液に対するアレルギー症状や麻痺症状が起こることもあります。
検査・診断
肉眼で寄生したマダニを確認することで診断します。吸血前のマダニは小さく発見が難しいですが、吸血をくり返すうちに豆粒大まで大きくなります。
治療
マダニの寄生の治療は以下のとおりです。
内科治療
駆虫薬
体に滴下するタイプや内服するタイプの駆虫薬を利用します。
処置
専用の器具やピンセットで、顎の部分が残らないようにマダニを引き抜きます。皮膚の切開を行うこともあります。
経過は良好であることが多いです。
病院探しのポイント
・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。
・定期的な予防が必要となるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。
・ネコちゃんのストレスを軽減するために、アクセスの良い場所にキャットフレンドリーな病院があるか探してみるのもよいでしょう。
予防
定期的なマダニ駆虫薬・予防薬の使用によって予防できます。
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監修
アイペット損保 獣医師チーム
アイペット損害保険株式会社
獣医学科卒業後、動物病院にて小動物臨床に従事。現在はアイペット損保に勤務。
獣医師であり飼い主/ペット栄養管理士の資格取得
アイペット損保を通じて、飼い主さまがにワンちゃんネコちゃんと幸せに暮らすための情報をお伝えしていきたいと思っています。
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