いかいよう 胃潰瘍 [犬]

概要

胃潰瘍とは、肉眼でわかる程度の大きさの欠損が胃粘膜に生じる病気です。

基礎知識

犬や猫での発生頻度は、人と比べると多くありません。

原因

胃潰瘍の原因には、以下のようなものが挙げられます。
・薬物(アスピリン、非ステロイド性消炎鎮痛薬、ステロイドなど)
・異物の誤食
・腎不全や肝不全
・ウイルス性疾患(パルボウイルス感染症など)
・胃の腫瘍
・ストレス

症状

嘔吐が最も多くみられる症状で、食欲不振や体重減少も認められます。
潰瘍部分からの出血が激しい場合には、吐血やメレナ(黒色便)などもみられます。

検査・診断

・問診や身体検査で、薬物の内服歴や予防接種歴などを確認し、嘔吐の内容や便の様子も詳しく調べます。
・レントゲン検査やエコー検査で、胃やそのほかの消化器官に異常がないかを調べます。造影剤を用いたレントゲン検査を行う場合もあります。
・血液検査で全身の状態を確認します。
・内視鏡検査で確定診断を行います。

治療

胃潰瘍の治療は以下のとおりです。

内科治療
・胃潰瘍の原因となる基礎疾患の治療を行い、並行して制酸薬や胃粘膜保護薬などを用いた胃炎の治療を行います。
・脱水が認められるときには、輸液を行います。
・出血が重度で、貧血がみられる場合には、輸血が必要となるケースもあります。

外科治療/抗がん剤治療
内科治療で改善が見られない場合や腫瘍がある場合には、外科手術で病変部を切除したり、抗がん剤治療を行う場合もあります。

病院探しのポイント

獣医師としっかり話し合い治療を進めていく必要があります。まずはかかりつけ医に相談しましょう。

予防

ストレスが溜まらないように心がけましょう。また、異物や薬物を誤食してしまわないよう、生活環境を整えましょう。

部位

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監修

獣医師 福永めぐみ
フクナガ動物病院

日本大学生物資源科学部獣医学科を卒業後、横浜市内の動物病院にて小動物臨床に従事。
現在はハバニーズのマフィンくんと共にフクナガ動物病院に勤務。
日本獣医循環器学会、日本獣医がん学会所属。
ペット栄養管理士の資格取得。


フクナガ動物病院ホームページ

https://fukunaga-ah.com/