きゅうせいなまりちゅうどくしょう 急性鉛中毒症 [犬]

概要

鉛を経口摂取することで起こる中毒症状です。

基礎知識

1歳未満の若い犬での発症が多いといわれています。
犬では好奇心や異食癖で口にするケースが多いです。
慢性に症状が発症することもあります。

原因

鉛製品や鉛を含んだ塗料を大量に口にすることで発症します。

症状

・嘔吐
・食欲不振
・痙攣

重症では死亡することもあります。

検査・診断

問診により鉛製品の誤飲の可能性を疑います。

・身体検査
・神経学的検査
・レントゲン検査
・鉛の血中濃度測定
・血液塗抹検査
などを行い診断します。

治療

急性鉛中毒症の治療は以下のとおりです。

・催吐処置、胃洗浄、内視鏡、外科的処置、浣腸などを行い、胃腸内の鉛を除去
・キレート剤の投与
・状態にあわせて、発作管理や、点滴などの対症療法の実施

病院探しのポイント

・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・緊急治療が必要ですので、急ぎ診てもらえる病院を探しましょう。また、このような緊急事態に備えて、かかりつけの休診日や夜間診療をしている病院をあらかじめ調べておきましょう。

予防

鉛製品を誤飲させないことが予防になります。

子ども用のおもちゃ、釣り用品、ゴルフ用のおもりなどにも鉛は使われていることがあります。

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監修

獣医師 西川身和

獣医学科卒業後、一般動物病院勤務、大学病院研修医勤務、動物福祉を学ぶ海外渡航などを経て、現在は動物の健康しつけ相談を行いながら、動物の健康や福祉に関する情報を発信しています。

愛猫4匹とまったり暮らしつつ、人間と動物のより良い関係づくりに日々奮闘しています。