いぶつごいん 異物誤飲 [犬]
概要
異物となるもの(食べてはいけないもの)を誤って飲み込んでしまい、体に異常をきたす事故です。
基礎知識
異物誤飲は多くの犬で発生する事故です。
特に、子犬や食欲旺盛な子にみられます。
犬で誤飲しやすいものには以下のようなものがあります。
物理的に危険なもの
消化管に刺さったり、詰まったり(腸閉塞)します。
・焼き鳥の串
・チキンの骨
・果物や野菜などの種や芯
・ストッキング
・イヤホンのスポンジ
・紐やリボン
・小さなおもちゃ
・針
・綿棒
・ペットシーツ
中毒を起こすもの
・タマネギ、ネギ
・チョコレート
・ブドウ
・キシリトール
・人の薬
・殺虫剤
・植物
原因
犬が異物を飲み込むことが原因であり、犬側と飼い主さん側のものに分けられます。
犬側
・子犬の時期でなんでも口に入れて確認をする
・遊んでいたら飲み込んでしまった
・いい匂いがしたため食べた
・飼い主さんの気を引きたくていたずらのつもりが飲み込んだ
飼い主さん側
・飼い始めで何が危険かを知らなかった
・まさか食べると思わず片付けなかった
・届かないと思った場所に犬が乗った、入った
症状
食べた異物と量、経過時間により症状は様々です。一般的には、嘔吐、気持ち悪そうにする、元気や食欲の低下などの症状がみられることがあります。
また、症状は出ていないが食べた形跡によって飼い主さんが異物誤飲に気付くことが多いです。
検査・診断
レントゲン検査、エコー検査により診断します。
食べたものによってはレントゲン検査やエコー検査では確認できない場合もあります。その場合にはバリウム検査や、内視鏡で確認をすることもあります。
治療
異物誤飲をしてしまったときの治療は以下のとおりです。
食べた異物と、経過時間により緊急度や治療方法は異なります。
緊急治療
催吐処置(さいとしょち)
食べてから時間があまり経っておらず、吐かせても危険ではないと判断できる場合に、薬を使って吐かせる処置をします。
外科治療
内視鏡での摘出
食べた異物が小さい、異物が食道・胃・腸の入り口付近にある、消化管を傷つけないなどの場合は内視鏡にて取り出します。
開腹手術
異物を飲み込んでから時間が経ってしまっている、腸まで達している、尖ったものなど消化管を傷つける異物の場合にはお腹を開けて取り出します。
そのほか
食べた量が少なく危険性が低い、異物があるかの判断が難しい、異物が消化管の太さより小さいなどの場合は何もせずに便からでてくるか様子をみることもあります。この場合、まずは3日間(72時間)程度、変化がないかをみていきます。
どの治療法を選択するかは、総合的にみて獣医師が判断します。いずれの場合でも早期の治療が望ましいです。異物誤飲が疑われる場合はすぐに動物病院に相談しましょう。
病院探しのポイント
・かかりつけの病院がある場合はすぐに相談しましょう。
・緊急処置が必要となることも多いので、かかりつけの病院がない場合は至急診てもらえる病院を探しましょう。また、このような緊急事態に備えて、かかりつけのの病院の休診日や夜間診療をしている病院をあらかじめ調べておきましょう。
予防
犬はなんでも口にするものだと思って対策をすることが望ましいです。
・犬の届くところにものを置かない
・キッチン、洗面所、ごみ箱など危ないところには入れないようにする
・何かを噛みたい欲求を満たしてあげる
対策次第で異物誤飲は防げるケースが多い事故なので、ぜひ取り入れてください。
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監修
アイペット損保 獣医師チーム
アイペット損害保険株式会社
獣医学科卒業後、動物病院にて小動物臨床に従事。現在はアイペット損保に勤務。
獣医師であり飼い主/ペット栄養管理士の資格取得
アイペット損保を通じて、飼い主さまがにワンちゃんネコちゃんと幸せに暮らすための情報をお伝えしていきたいと思っています。
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