けっせんそくせんしょう 血栓塞栓症 [犬]

概要

小さな血の塊が血管につまる病気です。塞栓が起こる部位によって様々な症状があらわれます。

基礎知識

犬では内分泌疾患、血液疾患、心臓疾患などにより血栓ができることが多いです。

原因

以下のような病気が血栓塞栓症の原因となります。

血管の壁が傷つく病気
敗血症、フィラリア症、腫瘍など

血液が固まりやすくなる病気
肝不全、免疫疾患、播種性血管内凝固症候群(DIC)、内分泌疾患など

血液の流れが悪くなる病気
僧帽弁閉鎖不全症などの心臓病

症状

血栓が手や足にむかう血管につまってしまうと、肉球が青白くなる、手足の先端が冷たくなる、手足が動かなくなる、激しい痛みが出るといった症状があらわれます。痛みから鳴き声をあげたり、呼吸が速くなることもあります。

血栓が全身の細い血管につまると、多臓器不全や突然死を引き起こす可能性もあります。

検査・診断

血液検査で血液の固まりやすさを調べたり、エコー検査で血栓ができている場所や血流が途絶えている場所を確認し、症状とあわせて診断します。

治療

血栓塞栓症の治療は以下のとおりです。

内科治療
血栓を溶かす薬や血栓をできにくくする薬を投与します。痛みが激しい場合には痛み止めを投与することもあります。

外科治療
手術やカテーテルによって血栓を取り除く場合もありますが、リスクの大きい治療となります。

再発を防ぐために血栓をできにくくする薬の継続や、血栓塞栓症を引き起こす原因となった病気の治療もあわせて行っていく必要があります。

病院探しのポイント

・かかりつけの病院がある場合はすぐに相談しましょう。

・緊急処置が必要となることも多いので、かかりつけの病院がない場合は至急診てもらえる病院を探しましょう。また、このような緊急事態に備えて、かかりつけのの病院の休診日や夜間診療をしている病院をあらかじめ調べておきましょう。

予防

血栓塞栓症の発症を予防することは難しいですが、血栓塞栓症を引き起こすリスクのある病気を持っている場合には、定期的な検査を受け、症状が出た際にすぐに対処できるようにしておきましょう。

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監修

アイペット損保 獣医師チーム
アイペット損害保険株式会社

獣医学科卒業後、動物病院にて小動物臨床に従事。現在はアイペット損保に勤務。
獣医師であり飼い主/ペット栄養管理士の資格取得

アイペット損保を通じて、飼い主さまがにワンちゃんネコちゃんと幸せに暮らすための情報をお伝えしていきたいと思っています。


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