ひだいがたしんきんしょう 肥大型心筋症 [猫]

概要

心臓の筋肉(心筋)が何らかの原因により障害を受け異常に厚くなってしまうことで、心臓がうまく機能しなくなる病気です。

猫の肥大型心筋症の概要

基礎知識

猫で最も多い心筋症です。
メインクーン、アメリカンショートヘア、ペルシャに多いとされていますが、雑種猫でも多く発生します。
数か月齢の若齢〜高齢までどの年齢でも認められます。

原因

はっきりとした原因はわかっていませんが、メイン・クーン、ラグドールでは遺伝的に発生することが報告されており、このほかにもアメリカン・ショートヘアやペルシャなど発生の多い品種でも遺伝的な関与が疑われています。

症状

一般的に初期はほとんど症状がありません。
進行すると食欲や元気の低下が見られ、痩せてくる場合もあります。
重度になると、呼吸困難、開口呼吸、咳などがみられ、血栓塞栓症を併発すると肢の麻痺や痙攣(けいれん)、腎不全などが発症し、死に至る危険性もあります。

検査・診断

・身体検査で体温の低下、頻脈、早い呼吸、開口呼吸、粘膜の蒼白などがみられることがあります。血栓塞栓症を起こしている場合には、後肢の脈拍が触知できなくなることがあります。
・血液検査で全身状態の把握や、腎臓や甲状腺に異常がないかを確認します。
・レントゲン検査で心拡大や肺水腫、胸水の有無を調べます。
・エコー検査で心臓の壁が厚くなっていないか、左心室の中が狭くなっていないかを確認します。
このほかに、心電図検査や血圧測定も行います。

治療

肥大型心筋症の治療は以下のとおりです。
完治する病気ではなく、心臓の状態に合わせた内科治療で症状を緩和することが目的となります。

内科治療
・血管拡張薬やβ受容体遮断薬(心拍数や血圧を抑える)、強心薬、抗血栓薬などを状態に応じて組み合わせて使用します。

・肺に水が溜まっている場合には、利尿薬も併用します。

・血栓塞栓症を起こしている場合にはこれらの治療に加え、血栓溶解薬や抗凝固薬、抗不整脈薬などを使用し、ほとんどの場合入院での治療が必要です。

重度の不整脈や血栓塞栓症を起こすと、経過は良くありません。
また、血栓塞栓症は発症から時間が経ってしまうと死に至る危険性が高いため、異常を感じたらすぐに動物病院を受診してください。

病院探しのポイント

・生涯付き合っていく可能性のある病気です。獣医師としっかり話し合い治療を進めていく必要があります。まずはかかりつけ医に相談しましょう。

・ネコちゃんへの負担を軽減するために、アクセスの良い場所にキャットフレンドリーな病院があるか探してみるのもよいでしょう。

予防

現時点では、予防法はありません。

タグ

部位

関連する病気

監修

獣医師 福永めぐみ
フクナガ動物病院
獣医師

日本大学生物資源科学部獣医学科を卒業後、横浜市内の動物病院にて小動物臨床に従事。
現在はハバニーズのマフィンくんと共にフクナガ動物病院に勤務。
日本獣医循環器学会、日本獣医がん学会所属。
ペット栄養管理士の資格取得。


フクナガ動物病院ホームページ

https://fukunaga-ah.com/