えりてまとーです エリテマトーデス [犬]

概要

エリテマトーデスは、自分の免疫反応により主に皮膚に炎症を引き起こす、自己免疫性疾患です。

基礎知識

皮膚を含む全身の臓器に症状を起こす全身性エリテマトーデスと、皮膚にのみ症状が認められる皮膚型エリテマトーデスに分類されます。

夏や日差しの強い季節に多く発症が認められるため、紫外線の関与も原因として考えられています。

皮膚型エリテマトーデスはシェットランド・シープドッグ、コリー種、ジャーマン・シェパード・ドッグ、シベリアン・ハスキーでよく認められます。

原因

自分の免疫反応が、自身の皮膚に炎症を起こし発症します。

症状

皮膚型エリテマトーデス
多くの症例では夏に発症したり、悪化する傾向にあります。鼻平面(鼻の上の毛が生えていない部分)や鼻すじ、目の周囲にかさぶた、赤み、 色素脱失(白っぽく色が抜けたような状態)、潰瘍(皮膚がむけてしまったような赤みが強く湿った状態)などの症状が認められます。

比較的軽症であることが多いとされていますが、長期的な治療が必要となることもあります。

全身性エリテマトーデス
複数の部位が次々と異常を起こします。皮膚だけでなく腎障害や、貧血、関節炎、神経学的な異常(運動性や意識状態など)も認められます。

症状が複雑化すると、治療は難しく経過が悪いこともあります。

検査・診断

症状や病歴からエリテマトーデスであることを疑います。ほかの寄生虫や細菌などによる皮膚病などを除外するために、一般的な皮膚の検査を行います。確定診断には症状が出ている部分の皮膚を、少し切り取って行う病理検査が必要です。

治療

エリテマトーデスの治療は以下のとおりです。

根治治療の方法がないため、症状の緩和を目的として生涯投薬が必要になります。

内科療法
ステロイド剤や各種免疫抑制剤を使用します。部分的な皮膚症状に対しては、外用薬を使用することもあります。

病院探しのポイント

・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。

・定期的な通院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。

予防

自己免疫疾患のため、現在のところ予防法はありません。

原因として、紫外線も関与していると考えられています。飼育環境での強い直射日光は、避けることも重要です。

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監修

獣医師 西川身和

獣医学科卒業後、一般動物病院勤務、大学病院研修医勤務、動物福祉を学ぶ海外渡航などを経て、現在は動物の健康しつけ相談を行いながら、動物の健康や福祉に関する情報を発信しています。

愛猫4匹とまったり暮らしつつ、人間と動物のより良い関係づくりに日々奮闘しています。