ひふびょう 皮膚病 [犬]
概要
皮膚に起こる病気の総称です。
基礎知識
動物病院への来院理由や、アイペット損保の保険金請求ランキングの上位に入るのが皮膚に関するトラブルです。
皮膚の見た目や搔いているという行動から、飼い主さんも気づきやすい病気です。
原因
皮膚病にはたくさんの種類があり、それぞれによって原因は異なります。
主な原因別に皮膚病を分類すると以下のとおりです。
感染によるもの
細菌・ウイルス・真菌・寄生虫・ノミ・ダニなどに感染することで皮膚に炎症やかゆみを引き起こします。
病気によるもの
肥満細胞腫などの腫瘍性のもの、天疱瘡などの自己免疫疾患、アロペシアXなど遺伝的な病気、クッシング症候群などのホルモンの病気による症状の場合などがあります。
アレルギーによるもの
アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などで炎症や強いかゆみを引き起こします。
心因性のもの
ストレスや不安などから皮膚に異常がみられることもあります。
症状
皮膚の症状としては以下のようなものがあります。
・かゆがっている、なめている
・脱毛している
・赤く、炎症を起こしている
・べたつく
・乾燥している、フケがでる
・できものがある、腫れている、化膿している
・皮膚の色がおかしい(黒い、黄色いなど)
検査・診断
皮膚病を疑う場合、病気が多岐にわたるため全身をくまなく調べながら最終的な診断をすることが一般的です。
大まかな流れは以下です。
・犬種、年齢、避妊去勢手術の有無、症状とその経過などの基本情報から疑わしい病気を絞ります。
皮膚病はこの問診が大切であり、じっくりと環境や食事など詳しい状況を確認します。
・ノミの糞やダニがいないかを確認したり、テープで皮膚の角質を調べたり、毛の一部を採取して寄生虫や真菌の検査などを実施し、感染が原因でないかを調べます。
・問診からアレルギーが疑われる場合は、感染でないことを確認した後にアレルギー検査を行うこともあります。
・そのほか、疑わしい原因がある場合はそれに合わせた検査を追加していきます。
・同時に血液検査やエコー検査などで皮膚病の原因となるの病気がないかを調べていきます。
・できものがある場合は針で刺して細胞を採取し検査を行うこともあります。
皮膚病の原因は様々で、検査自体にも時間がかかることが多く、診断をするまでに長い時間を要する場合があります。
治療
皮膚病の治療は以下のとおりです。
ほかの病気が原因となっている場合は、その治療も併せて行います。
内科療法
皮膚の状態や詳しい原因により使用する薬やシャンプー剤を使い分けていきます。
・感染が原因の場合やアトピー性皮膚炎などの場合は、内服薬(抗生剤やビタミン剤など)、シャンプー剤(抗菌作用や角質除去などの薬用)、塗り薬(かゆみ止めや炎症止め)などを使用していきます。
・ノミやダニなどの寄生虫の場合にはノミを落とすスプレーや薬を使用します。
病院探しのポイント
・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。
・長期の通院が必要となる場合があるため、アクセスの良い病院だと通う際の負担が少なく済むでしょう。
予防
皮膚病のほとんどは予防が難しいです。
皮膚を気にしていないか、痒がっていないかなど日ごろからよく観察し、症状がみられた場合になるべく早く動物病院を受診することが望ましいです。
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監修
アイペット損保 獣医師チーム
アイペット損害保険株式会社
獣医学科卒業後、動物病院にて小動物臨床に従事。現在はアイペット損保に勤務。
獣医師であり飼い主/ペット栄養管理士の資格取得
アイペット損保を通じて、飼い主さまがにワンちゃんネコちゃんと幸せに暮らすための情報をお伝えしていきたいと思っています。
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