えちれんぐりこーるちゅうどく エチレングリコール中毒 [犬]
概要
車の不凍液や一部の保冷剤などに含まれるエチレングリコールによる中毒です。
基礎知識
甘い味なので動物が誤飲しやすいといわれています。
最近の保冷剤にはエチレングリコールが含まれている製品はほとんどありませんが、古い物では注意が必要です。死亡率も高く、非常に危険な毒物です。
犬では体重1kgあたり4.4〜6.6ml/kgが致死量といわれています。
家庭ではカー用品を保管する車庫に自由に近づける動物が発生しやすいという報告があります。
原因
エチレングリコールが含まれている製品を摂取することで発症します。
症状
摂取後30分以内に「酔っ払った」症状が認められ、精神症状や歩行障害、脱力や嘔吐などが起こります。その後、下痢や食欲不振を起こします。
最終的には急性腎不全の症状を起こします。
検査・診断
エチレングリコールの摂取歴、症状を確認します。
血液検査や尿検査で状態を評価します。
治療
エチレングリコール中毒の治療は以下のとおりです。
・催吐処置や胃洗浄(摂食後1時間以内)
・活性炭の投与
しかし、エチレングリコールは吸収速度が早いためあまり効果は期待できません。
点滴により利尿を促し、腎不全を起こしている場合はそれに対しての治療を行います。
病院探しのポイント
・かかりつけの病院がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。
・緊急治療が必要ですので、急ぎ診てもらえる病院を探しましょう。また、このような緊急事態に備えて、かかりつけの休診日や夜間診療をしている病院をあらかじめ調べておきましょう。
予防
動物がエチレングリコールを摂取しないように環境整備をしましょう。
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監修
獣医師 西川身和
獣医学科卒業後、一般動物病院勤務、大学病院研修医勤務、動物福祉を学ぶ海外渡航などを経て、現在は動物の健康しつけ相談を行いながら、動物の健康や福祉に関する情報を発信しています。
愛猫4匹とまったり暮らしつつ、人間と動物のより良い関係づくりに日々奮闘しています。